ワンオペ ワーママ人事のあれやこれや

アラフォーのワーママで人事→今は組織人事コンサルです。国家資格キャリアコンサルタント。平日はほぼ完全ワンオペ。働き方/子育て/ワーママ/キャリア/女性のキャリア/美容健康 などなどについて

ワーママの転職について 不利なの?どうなの?

そもそも、ワーママにとって転職はハードルが高いのでは、と思っている方も多そうです。

 

一方で、転職を考えたことがあるのは8割だそうです。

https://dual.nikkei.co.jp/article/055/80/?ST=mobile

私の感覚値(周囲のワーママ、N=数十人 笑)でもだいたいそんな感じですね。

一度は転職が頭をよぎることは少なからずありそう。

「転職」という選択肢だけでなく、「辞める」「異動する」なども含めて、何かしら不満や居心地の悪さを感じている人はさらに多いでしょうね。

 

実際にワーママの転職は難しいんでしょうか。

 

結論から言えば、

ワーママであることが絶対的に不利になることはない

です。

※柔軟に考えられれば、という条件つきで。

 

 

私の経験上、いろんな立場からワーママの転職を見てきました。

以下①②③それぞれの立場から上記の理由を解説したいと思います。

 

① 企業の人事、採用責任者として

中途採用だけで年間数十人〜100名近くの規模の採用、そのうちワーママも何人も採用しました

② 転職エージェントとして

人材紹介会社でコンサルタントもしていました。特に、女性向け転職サービスの立ち上げから関わり、転職支援をしたこともあります

③ ワーママのいち個人として

子供が生まれて復帰後、まだ1歳のときに転職に成功しました

 

それぞれの立場からどう見ているか 

① 企業の人事、採用責任者として

□■ポイント■□

・ワーママかどうか以前に、成果を出せる人かどうかが大前提

・制度や環境目的(が前面に出る)はNG

・とはいえそもそもワーママ含む採用に関する企業の基本姿勢は経営者と人事担当者の考えによりケースバイケース

 

企業がどんな人を採用したいかをシンプルにいえば、成果を出して活躍してくれる人、です。

 

なのでワーママだろうと活躍してくれればいいと思う企業もあれば、残念ながらいまだにワーママを活用しきれないために積極的になれない企業もあります。

つまり、ワーママの採用については、企業の方針、人事の考え方によって、受けとめられ方が全然違います。

 

ちなみに、私がいた企業、いち人事担当としての見方はこうでした。

 

会社→比較的ワーママにも柔軟で在籍も多いものの、組織バランスや影響を考えて、ワーママ採用の最終判断は慎重

人事(私)→候補者の経験やスキルを一番重視していたので、ワーママかどうかに限らず良い方であれば採用したい、条件は応相談にしたい

 

候補者がワーママかどうかは重要な要素ではないので、応募のタイミングでは、それ自体がポジティブにもネガティブにもどちらにも働かない、という感じでしたね。

 

過去には、あるワーママ候補者の採用をめぐって社内でかなり議論になったこともあります。

私と配属予定の部署の役員は採りたいと思っていたものの、社長が組織への影響が云々…と難色を示した状況でした。その部署でのワーママ採用が始めてだったので、働き方などが周りにどう見えるかを心配したようでした。

議論の末、結果的に社長も理解してくれて採用したのですが、その方は入社してからすごい活躍をしてくれて、心配は杞憂に終わったのですが。

 

何が言いたいかと言うと、企業の経営者がどう考えているかが基本的な採用方針に大きく影響するものの、採用担当がどう考えているかで強く推せるか推さないかが変わるので、結果に影響することもある、ということです。

 

ただし、それも成果、パフォーマンスを出してくれると思えることが大前提。そうでなければそもそも土台にも乗らないわけです。

 

あともう1点、ワーママにとって論点になりがちな制度や環境について。

そもそもワーママに限らず、転職の際にそれらを重視することもあると思いますが、それを前面に出すのは論外です。

 

よく面接などで、「教育がしっかりしているところがいいです」とか「福利厚生が整っていることろがいいです」とか平気で言う人がいます。

 

ただ先に書いたように、会社としては、成果をあげられる人がほしいわけで、成果を出してもらうためにいろんな制度も整えているわけなので、制度だけが目当ての成果が出せない人はいらないわけです。

それはワーママだろうと誰だろうと同じことが言えますね。

 

なので、まずは面接などでいかに成果があげられるのかをアピールすることを考えてください。

あとは、可能であればその会社がワーママの採用に対してどんなスタンスかを見極めること、人事(リクルーター)をうまく味方につけることで、可能性は広がります。

 

 

② 転職エージェントとして

□■ポイント■□

・時短OKの求人はかなり少ない

・時短や条件にこだわりすぎると敬遠されることがある(なかなか決まりづらいため)

・一方で、ロールモデルになるような女性は歓迎されることもある

 

復帰して時短で働いているママも多いと思いますが、他の会社に転職しようと思った場合、初めから時短でもOKな求人はかなり少ないです。

 

私も女性対象の転職エージェントも携わったことがありますし、人事として女性メインのエージェントさんとお付き合いもしていました。

そういった女性支援系の企業ですら時短OKの求人は1割もなく、せいぜい20件に1件つまり5%程度という感覚です。

 

さらに言えば、多くの会社がまだ残業を前提として成り立っているので、正直なところ残業ができない(定時上がり)ですら敬遠されることもあります。(怒)

 

なので、「時短勤務」を絶対条件にすると、対象はぐっと減ります。

個人的にはそこももっと柔軟に、ワークシェアリングが進むべきとは思ってますが、残念ながら事実はそうです。

 

エージェントの立場としては、企業に自信を持って紹介できる人、決まりやすい人を優先的に進めたいと思うものです。

なので、時短勤務やその他条件を絶対にしてしまうと、案内できる案件も少なく、紹介しても決まらないと思われてあまり注力して支援してくれなくなる可能性もあります。

 

一方で、今は女性の採用に積極的な企業も増えてきて、良くも悪くも広報的にも女性やママ社員を前に出したがる企業も多いので(HPや採用サイト、パンフ等々)、アイコン的になれる可能性のある人や、社内のロールモデルになれそうな人をほしがる企業もあったりはします。

 

エージェントを使う場合、時短などの就労条件、企業規模やブランドなどなどの条件にこだわりすぎると、エージェントにもめんどくさがられる(!)ので、特にママにはおススメしません。(本当はそこが一番こだわりたいところかもしれませんが、そこはいったん自分の中にしまってください)

とにかく「何ができる人なのか」「どんなこと、どんなところなら経験スキルを活かせるのか」を明確にしておくことが大事です。エージェントさんもおすすめしやすくなるので。

そして条件もいったん広く検討しますとしておくのが良いです。紹介されても条件が合わなければ受けなければいいだけなので。条件を固定にして紹介がなくなるよりは、幅広にしておけばこちらに検討余地が生まれるのでいいと思います。

 

そしてその中にたまーーーに、ママでも働きやすかったり、女性の採用に積極的な企業も入ってくることがあります。

そんな求人が出てきたときに真っ先に思い出してくれて、◯◯さんならって紹介してくれるのがベストですね。

 

③ ワーママのいち個人として

□■ポイント■□

・意外と圧倒的に不利だと感じたことはない

・決まるまではワーママ色を出さずに、普通のビジネスマンと同様に振る舞う

・決まってしまえば交渉はできる

 

私が復帰して1年も経たずして、子どももまだ1歳で転職活動をした中では、企業に箸にも棒にもかからないレベルに感じたことはないです。

むしろ一般的な転職活動と同様に検討はしてくれたように感じています。

 

自分自身も、ワーママとしてではなく普通の候補者と同様のスタンスではいるようにしました。

自分がワーママであることは全面には出さないものの、全く言わないわけではなく、必ず選考プロセスのどこかでは言いました。なぜなら言わなければお互いの認識の齟齬がおこる可能性もあり、双方にとってハッピーならないためです。

 

とはいえ、まずはとにかく内定を勝ち取ることです。

 

スキル経験、実績を買ってくれて、企業採用したい!とさえ思ってもらえれば、企業は採用するために動くので、もろもろ条件の相談もできる可能性もあります。

逆に、相談の余地がなかったり、いい顔をされないようであれば、入ってからも苦労する可能性があるので、入社するべきかどうかのひとつの判断材料にしてもよいのではとも思います。

もちろんあまり常識はずれな条件交渉でなければですが。ちなみに時短や勤務時間帯をずらすなどは相談しても良いレベルの内容だと思います。

 

ただし、入社まえから印象が悪くならないようにうまく反応見ながら交渉してくださいね。

 

 

.

.

.

ということで、ワーママでもポイントさえおさえれば転職できる可能性は十分にあります。

 

安易な転職は絶対におすすめしませんが、両立が難しい、マミートラックに陥ってしまったなど、環境を変えた方がベターなこともあります。

慎重に考えた上で、転職を検討するなら、ちょっと参考にしてもらえれば幸いです。

 

がんばってくださいね!